コントロール出来ない「集中力」は「暴力」にもなる
「集中力」と聞くと、よい印象がある。
しかし、そのすばらしい力も使い方を間違えると心身を壊す原因となる事もあるという。
3人の方の印象的なエピソードを紹介しよう。
ひとりめ:
新宿で年に何度か絵を習っているのだが、その先生が都度都度おっしゃる事がある。
”コントロール出来ない「集中力」は「暴力」です。”と。
先生は絵にのめり込んでいた頃、描き始めたら止まらなくなり、気がついたら数日経っていたという。
ドクターストップがかかり、「絵を描くことを止めなければ死んでしまう」と言われる状況であったとか。
しかし先生はその後、アメリカで新たな手法を手に入れ日本に帰国。身体も心も楽になる絵の描き方を今も教えてくださっている。
ふたりめ:
先日、『岡村隆史☓プロフェッショナル』という放送10周年スペシャルを見た。
2010年に岡村氏は心身の不調の為、長期間仕事を休んだ。その時のきっかけについて具体的な説明が印象的であった。
" 岡村は5年前の休養について「ぼくは1回、思いっきり逃げたんですよ。自分で決めた仕事がうわ~ってなって、寝れなくなって、完全に仕事ができなくなって、その時はやめようと思いましたもん、芸能界」と告白した。
その時は「1人で全部やらなくちゃいかん、と思い過ぎていた。気が付いたら寝ないで2日たっていた。立ったらふらふらってして。密閉のヘッドフォンして、 角砂糖なめながら台本ずっとやっていた」という。それ以来「眠れなくなった。スイッチ入ったままになっちゃって」と状況を説明。"
その時は「1人で全部やらなくちゃいかん、と思い過ぎていた。気が付いたら寝ないで2日たっていた。立ったらふらふらってして。密閉のヘッドフォンして、 角砂糖なめながら台本ずっとやっていた」という。それ以来「眠れなくなった。スイッチ入ったままになっちゃって」と状況を説明。"
引用:
さんにんめ:
以前仲間内の飲み会で、友人が語ってくれた内容も同じく印象に残っている。
彼女は勉強をはじめると「集中し過ぎて途中で止める事ができなくなる」そんな経験を話していた。鉛筆が手から離せなくなるのだそうだ。
大変優秀な女性で「すごいなー。」と思っていたのだが、人には見えないところでそんな悩みや苦労もあるのだとうなった。
頭では止めたくても体は止められないという状況はかなり恐い。それはまるで、制御できなくなってしまったロボットのコックピットにいるようだと想像する。
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「集中力」は素晴らしい。世に出る偉業の多くはそのパワフルさのなせる技であると思う。
しかし、過度な「集中力」はそのひとの精神と身体を蝕むこともある。
絵の先生が教えてくださったとおり、それは自分自身への「暴力」ともなるのだ。自他共にくれぐれも注意したいところである。
なお、多くのひとが望む「心地よい集中力の発揮方法」については、またいずれ書きたい。。。