心地よい事を続けよう
期間限定で公開されている「村上さんのところ」という読者からの質問に村上春樹氏が回答するというサイトがある。イラストもかわいらしく読んでいてほっこりする。(ほっこりしないのもある。)
2015-04-22の質問で「今まで表現するための感受性をどのようにみがかれましたか?」(準大人、女性、18歳、大学生)というものがあった。村上氏の回答は書籍として出版されているのでそちらを読んでいただきたいのだが、その文章の中に心に響いた箇所があったので一部引用する。
"気持ちよく生きて、美しいものだけを見ていても、感受性は身につかないということです。世界は痛みで満ちていますし、矛盾で満ちています。にもかかわらずきみはそこに、何か美しいもの、正しいものを見いだしたいと思う。そのためには、きみは痛みに満ちた現実の世界をくぐり抜けなくてはなりません。その痛みを我が身にひりひりと引き受けなくてはなりません。そこから感受性が生まれます。"
上記はほっこりというよりも、じーんと来る回答である。温かく背中を押してくれる人生の先輩の言葉として受け取れる。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」ということわざがある。わたしもそのとおりだと思う。生きていれば毎日色々あるし、その中には辛いことも多い。そして「若さ」とは「バカさ」(わたしもスーパーおばかであった。今でもその名残は大きい)である。ものを知らないし、未熟な為、困難も多い。しかし、そんな時を過ぎてみな大人になる。
若い時は苦労した方が学びが多いからぜひ茨の道をゆくべきなのだ。
しかしここで後遺症が生まれてしまう場合がある。大人になってからもそういう「苦」を常によしとし、「楽」や「快」をすすんでたのしむことが苦手なひとがいるのだ。
そういうひとは、長年の習慣から「自分が幸せになることをゆるさない」という癖がついているようにも見える。たとえ意識の上では、幸せを望んでいても、無意識の中に深く深く根付いてしまった何かが自動的にそう思考し、そう行動させてしまうようだ。
「素敵なひとなのに本当に勿体無い。。。」とわたしは勝手にそう思う。そして、そういうひとにどんなに「あなたは素敵なひとですよ。」と熱く語ってもなかなか届きにくい事も知っている。
そんな時、わたしは色々な「心地よい事を続ける」という事をおすすめする。
例えば、わたしなら。。。
- 湯船にゆっくり浸かる
- 気持ちのよい午後、お昼寝する
- 温かいパンケーキを食べる
- お茶をゆっくり飲む
- 猫にそっと触れてみる
- ぎゅーっとハグする
- ちいさな声で褒める
- ハンドマッサージをしてもらう
- 床に寝転んで手足をおもいっきり伸ばす
- 映画をみて泣く
- 大きな声で歌う
心地よい事を毎日ひとつでいいから自分にしてあげる事。ひとがいいという事ではなく、あなた自身が心地よいと思えるものをできるだけたくさん探すこと。それをしばらく続けるだけで、開く扉がたくさんある。時間は必要なだけかかるけど、きっと幸せになれる。
きょうはこのへんで。。。
2016/02/03加筆:文章修正および書籍のリンク追加