エネルギーを奪うものにしがみついてしまう自分へ
過去の嫌な感情ばかり思い出して、それを今なお増幅させてしまう癖。
とある講座で印象深いお話がありました。
E先生はアメリカに渡り心理学を学びました。何かにつけ父親に対する憎しみを話すE先生は「本当にパパが大好きだなぁ。はるばるアメリカまで連れてきて」といった風に言われたそうです。
「大好き?とんでもない。こんなに憎んでいるのに。こんなに苦しんでいるのに。」そう憤慨したことでしょう。
成人し、家庭を離れ顔を合わすことがなくなっても、自分を傷つけ続ける存在としてとらえていた。
しかしその感情を手放さずにいるのは自分。自ら選んでしがみついているように周囲からは見える。
物理的には離れているのに、まるでその対象を常におんぶしているかのような自分。
心の中に住まわせ、暴れさせているのも自分。全ては頭の中で起こり、感覚を再現させてしまっている。
嫌いなのにどうして手放さないの?
その手を掴んでいるのは、相手ではなく自分なんじゃないの?
そう指摘されればされるほど、「そんなことない。」「ひどい。」「こんなに苦しんでいるのに。」「そう望んでいるなんてこと絶対ありえない。」と憤る自分。
部屋の中を見回してみましょう。ここは自分の頭の中、好きなものだけ残しましょう。
嫌なものをいつまでも部屋の中に置いて自分を傷つけるのはもう止めましょう。今、必要でないものは手放しましょう。
憎んでいる。恨んでいる。でも、手離せない。離れられない。忘れられない。
憎みたい。恨みたい。だから、手放したくない。離れたくない。忘れたくない。
それは本当に自分のしたいことなのか。人生とは限りある素晴らしい時間。その感情は大切に取っておきたい宝物のひとつなのか?
ちがうでしょう。ちがうのに握りしめている。だからまずは心と手を開いてみよう。
エネルギーを奪うものが世の中にはたくさんあります。
そこからは静かに離れていきましょう。その為の知恵はすでに自分の中にありませんか。
思いつかなければ本を探して読みましょう。答えを知っていそうな心優しいひとにそっと尋ねてみましょう。
今、必要のないものや感情は手から心から離しましょう。もっと自分を楽にしてあげましょう。楽になる方法を色々試しましょう。
もしも離れがたい理由がその縁があるとすれば、いつかまた触れ合うこともあるでしょう。本当に必要なものは自然な流れと共に受け取る形で用意されるようです。
それはそれとして、あるがままに。